お正月といえば、色とりどりのおせち料理。
しかし実際には、「全部はちょっと多い」「正直、あまり好きじゃないおかずも入っている」「残ってしまってもったいない…」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
昔ながらの立派な三段重は、とても華やかで見た目にも素敵です。その一方で、家族の人数が少なかったり、洋食中心の食生活だったりと、暮らし方が変わってきた今、「昔の形のままのおせち」が必ずしも自分たちの生活にぴったりとは限りません。
そこで近年少しずつ増えているのが、自分や家族の「好きな物だけ」を集めた気楽なおせちです。
この記事では、「おせちは好きな物だけでいいのかな?」と少し迷っている方に向けて、
・なぜ好きな物だけおせちが選ばれているのか
・どんなふうにメニューを決めれば良いのか
・スーパーやデパート、通販をどう活用するか
・予算別の組み立て方や盛り付けのコツ
などを、ゆっくりと丁寧にご紹介します。
気負わず、おうちに合った「わたしサイズのおせち」を一緒にイメージしてみましょう。
1. おせちは「好きな物だけ」でOK?昔との違いと今の楽しみ方

「おせちはこうでなければいけない」という厳密な決まりはありません。地域や家庭によって中身や味付けが違うように、本来おせちはとても柔軟な存在です。
近年は、共働き家庭の増加やライフスタイルの変化もあり、「無理をしない」「自分たちに合う形で取り入れる」という考え方が広がっています。
たとえば、こんな声がよく聞かれます。
- 昔ながらの三段重を買ったら、食べきれずに残ってしまった
- 子どもたちは黒豆や田作りより、肉料理やスイーツを喜ぶ
- 二人暮らしなので、大きなお重は量が多すぎる
- 一人暮らしだから、少しだけお正月気分を味わえれば十分
こうした背景から、「好きな物だけを少しずつ揃える」「全てをおせちにこだわりすぎない」というスタイルを選ぶ人が増えています。
伝統を大切にする気持ちと同じくらい、無理をしないこと・自分たちらしく過ごすことも大切な“今のお正月”の楽しみ方と言えるかもしれません。
2. 「好きな物だけおせち」が選ばれる理由
好きな物だけでおせちを作ることには、実はたくさんのメリットがあります。ここでは、その主な理由を整理してみます。
- 食品ロスを減らせる
苦手なおかずや、食べきれない量を無理に用意しなくて良いため、残りものが減りやすくなります。 - 家族全員が楽しめる
「誰も手を付けなかった…」というおかずが少なくなり、食卓に並ぶものの満足度がぐっと上がります。 - 少人数・一人暮らしでも準備しやすい
単身世帯や二人暮らしでも、必要な分だけを購入すればよいので負担が少なくなります。 - 予算のコントロールがしやすい
お重のセットを買うのではなく、単品で選ぶことで、「このくらいの金額におさめたい」という調整がしやすくなります。 - 準備の手間を減らせる
すべて手作りにこだわらず、市販品を上手に取り入れることで、年末の負担も軽くできます。
こうして見てみると、「好きな物だけおせち」は決してわがままな選択ではなく、今の暮らし方に寄り添った、とても合理的でやさしいスタイルだと感じられるのではないでしょうか。
3. まずは“絶対に食べたいものリスト”を作ってみよう
好きな物だけでおせちを組み立てるとき、最初の一歩はとてもシンプル。
「お正月に食べたいもの」を紙やスマホのメモに書き出すことから始めてみてください。
一人分でも良いですし、家族全員で「何が食べたい?」と話しながら書き出すのも楽しい時間になります。
ここでは、イメージしやすいように、ジャンルごとに例を挙げてみます。
- 甘い系:黒豆、栗きんとん、伊達巻、きんぴらごぼうの甘辛味など
- 海鮮・おつまみ系:数の子、海老の旨煮、田作り、いくら、たこ
- お肉系:ローストビーフ、焼き豚、鶏の照り焼き、ミートローフ
- 彩り・箸休め系:紅白かまぼこ、なます、昆布巻、煮しめ
書き出した後は、家族間で共通しているものに印を付けると、優先順位が見えてきます。
まずは「全員が好きなもの」を中心にして、そのあとで「個人的なお楽しみ」を少しずつ加えるイメージで選ぶと、バランスが取りやすくなります。
4. カテゴリー別:好きな物だけで揃える単品おせちの選び方
ここからは、スーパーや百貨店、通販などで手に入れやすいおせちの単品を、カテゴリー別にご紹介します。
全部をそろえる必要はなく、「家族が喜びそうなところだけ」取り入れても大丈夫です。
4-1. 甘い系(黒豆・栗きんとん・伊達巻など)
お子さんや甘いもの好きの方に人気なのが、黒豆、栗きんとん、伊達巻などの甘いおかずたちです。
これらは、少量パックやカップ入りで販売されていることも多く、日持ちしやすく扱いやすいのもポイントです。
- 黒豆:ふっくらとした食感で、お茶うけにもぴったり
- 栗きんとん:スイートポテトのような感覚で、子どもにも人気
- 伊達巻:お弁当のおかずとしても活躍しやすい万能選手
甘い系のおせちは、少量でも満足感が高いので、「ひとパックあれば十分」というご家庭も多いジャンルです。
4-2. 海鮮・おつまみ系(数の子・海老・田作りなど)
お酒を楽しみたい方や、しっかりとした和のお正月感を味わいたい方には、海鮮・おつまみ系がおすすめです。
ただし、塩味や独特の風味があり、家族の好みが分かれやすいジャンルでもあります。
- 数の子:コリコリとした食感が好きな方にはたまらない一品
- 海老の旨煮:見た目も華やかで、お重の主役になってくれます
- 田作り:甘辛く仕上げられているので、おつまみにもぴったり
家族の中で「好きな人が限られている」場合は、1~2人が楽しめるくらいの少量パックを選ぶと無駄が出にくくなります。
4-3. お肉系(ローストビーフ・焼き豚・鶏の照り焼きなど)
和風のおせちだけでは物足りないと感じる場合は、お肉系のボリュームメニューをひとつ加えるのもおすすめです。
近年は、洋風おせちやオードブルセットなども増えており、ローストビーフやハム、ソーセージなど、お肉メインの料理を取り入れるご家庭も増えています。
市販のローストビーフや焼き豚は、スライスしてお皿に並べるだけでも立派な一皿に。
お子さんや若い世代の方にも喜ばれやすく、「おせちはあまり得意じゃない…」という方の救世主になってくれることもあります。
4-4. 彩り・箸休め系(かまぼこ・なます・昆布巻など)
好きな物だけを集めていくと、意外と忘れがちなのが「彩り担当」のおかずたちです。
紅白かまぼこやなます、昆布巻などは、少量でもお重全体の印象をパッと明るくしてくれます。
- 紅白かまぼこ:切って並べるだけで華やかさアップ
- なます:さっぱりとした口当たりで箸休めにぴったり
- 昆布巻:黒い色が入ることで全体が引き締まります
好きな物だけにしつつ、色のバランスも少し意識すると、見栄えの良いおせちに近づきます。
5. スーパー・百貨店・通販で買える「小さめおせちセット」の活用術
最近は、最初から少人数向けに詰められた「小さめおせち」や、テーマ別のセットなども多く販売されています。
「全部を一から選ぶのは大変」という方には、こうしたセットをベースにして、好きな物だけ足していく方法がおすすめです。
- 1〜2人向けのミニおせち
コンパクトなお重に、定番メニューが少しずつ入ったタイプ。二人暮らしや一人暮らしでも無理なく楽しめます。 - 甘い物中心のセット
黒豆や栗きんとん、伊達巻など、甘い系に特化した詰め合わせもあります。 - おつまみ中心のセット
海鮮や珍味がメインのセットは、お酒の好きな方や、夜の団らんにぴったりです。 - 選べるセレクト式
好きな品をいくつか選んで詰めてもらえるサービスもあり、より自分好みの内容に近づけられます。
「セット+単品」という組み合わせにすることで、
・ベースの手間は抑えつつ
・物足りない部分だけ好みで補う
というバランスの良いおせち作りがしやすくなります。
6. 予算別:好きな物だけで作るおせちプラン
ここからは、あくまでイメージですが、予算の目安ごとの組み立て方をご紹介します。
実際の価格は購入先や内容によって変わりますが、「このくらいの予算なら、こんな組み合わせができそう」と考える参考になれば幸いです。
6-1. 3,000円台で楽しむ、ちょこっとおせち
- 黒豆(小パック)
- 栗きんとん(小パック)
- 伊達巻(ハーフサイズ)
- 数の子または海老のどちらか一品
お皿1〜2枚に盛り付ける程度の量ですが、「しっかりお正月気分を味わえる」ラインナップです。
一人暮らしや、年末年始は外食が多いご家庭にも向いています。
6-2. 5,000円台で楽しむ、バランスおせち
- 甘い系:黒豆+栗きんとん
- 海鮮系:数の子+海老の旨煮
- お肉系:ローストビーフまたは焼き豚
- 彩り:紅白かまぼこ
2〜3人家族でも満足できるボリューム感です。
ご飯やお雑煮と一緒に食べれば、十分に“お正月のごちそう”として楽しめます。
6-3. 1万円以内で楽しむ、ミニお重+単品プラン
- 少人数用のミニおせちセット(1〜2段)
- ローストビーフやオードブルの単品
- 家族の好みに合わせた甘い系や海鮮の追加
ミニお重で「いかにもおせち」という見た目を楽しみつつ、好みの料理で満足感をプラスできます。
洋風・和風をミックスしたいときにもおすすめのスタイルです。
7. 重箱がなくてもOK!身近な器で楽しむ盛り付けのコツ
「重箱を持っていないから、おせちはハードルが高い…」と感じている方もいるかもしれません。
でも実は、おせちは必ずしも重箱に入れなくても大丈夫です。
- 大きめの白いお皿に、少しずつ盛り合わせる
- 小皿や小鉢をトレイに並べて“おせちプレート”にする
- ワンプレートごはんのように、ご飯と一緒に盛り付ける
ポイントは、色や高さのバランスです。赤・黄・緑・白・黒など、色の違うおかずを隣り合わせて盛ると、それだけで見た目が華やかになります。
また、葉物の飾りや、和紙を敷くだけでも、お正月らしい雰囲気が高まります。
8. 家族で決めるともっと楽しい。「好きな物だけ選抜会」をしてみよう
せっかく「好きな物だけおせち」を作るなら、準備の段階から楽しみに変えてしまいましょう。
たとえば、こんな風にしてみるのはいかがでしょうか。
- 家族それぞれが「絶対に入れてほしいおかず」を3つ書き出す
- 全員分のリストを見ながら、「上位○品」を決定する
- 子どもにも「自分の一品」を選んでもらう
「なぜそれが好きなのか」「どんな味だったら嬉しいか」など、会話が自然とふくらみます。
ただ用意されたものを食べるだけでなく、「自分もおせち作りに参加した」という気持ちが生まれるのも素敵なポイントです。
9. 好きな物だけでも“おせちらしさ”はちゃんと出せる
「伝統的な意味を考えると、好きな物だけでは失礼かな…?」と、少し心配になる方もいるかもしれません。
もちろん、おせち料理にはそれぞれ縁起の良い意味が込められていると言われていますが、一番大切なのは“新しい一年を祝う気持ち”です。
たとえば、黒豆には「まめに働けるように」、海老には「腰が曲がるまで長生きできるように」などの願いが込められていると言われます。
そうした意味合いを知った上で、
・家族が本当に好きなものを中心に選ぶ
・少しだけ縁起の良い食材も取り入れてみる
といった「わが家流のバランス」を見つけていくのも良いですね。
好きな物だけを選びながらも、どこかに少しだけ伝統の要素を残しておく。
そんな柔らかい楽しみ方こそ、今の暮らしに合ったおせちの形かもしれません。
10. まとめ:無理をしない「好きな物だけおせち」で、心地よい新年を
おせちは豪華で立派でなければいけない、という決まりはありません。
・食べきれる量で
・家族が本当に好きなものを中心に
・無理をしすぎない範囲で
楽しむことができれば、それだけで十分素敵なお正月です。
「今年はどんなおせちにしようかな」と考えるとき、ぜひほんの少しだけ肩の力を抜いて、
「わが家は、好きな物だけでお正月を楽しもう」
という選択肢も思い出していただけたらうれしいです。
あなたとご家族のお正月が、笑顔で心地よく過ごせる時間になりますように。
そのお手伝いとして、好きな物だけで作るおせちのアイデアが、少しでも参考になれば幸いです。