子どもの学校行事や体力テストで「シャトルラン」という言葉を聞くと、少しドキッとする方もいるのではないでしょうか。
「シャトルランって、いつから始まったの?」
「昔は持久走だった気がするけれど、何が変わったの?」
「廃止されるという噂は本当?」
「意味ないと言われることもあるけれど、実際はどうなの?」
このように気になる方も多いと思います。
結論からいうと、現在の学校で行われる20mシャトルランは、平成11年度(1999年度)の体力・運動能力調査から導入された「新体力テスト」の項目として広く扱われるようになりました。正式には「20mシャトルラン(往復持久走)」と呼ばれ、20メートルの距離を合図音に合わせて往復し、全身持久力の目安を見るために行われます。
一方で、シャトルランは「きつい」「苦しい」「人前でやめるのがつらい」と感じる子もいるため、廃止の噂や「意味ない」という声が出ることもあります。
ただ、現時点で全国一律にシャトルランが廃止されたというわけではありません。学校や学年、地域によって実施方法に違いはありますが、現在も、少なくとも6〜11歳対象の新体力テスト実施要項では、20mシャトルラン(往復持久走)が項目として示されています。
この記事では、シャトルランがいつから始まったのか、なぜ廃止の噂があるのか、意味ないと言われる理由、そして子どもが不安を感じるときの声かけまで、わかりやすく解説します。
シャトルランはいつから始まった?導入時期を先に確認

シャトルランがいつから始まったのか気になる方は多いですよね。
特に、親世代の中には「自分のころは持久走だった」「シャトルランなんてやった記憶がない」という方もいると思います。
まずは、シャトルランの導入時期を確認していきましょう。
シャトルランは新体力テストの導入とともに広まった
シャトルランは、正式には「20mシャトルラン」と呼ばれる体力テストの種目です。
20メートルの距離を、電子音に合わせて何度も往復します。音の間隔は少しずつ短くなっていくため、回数が増えるほど走るペースも速くなります。
この20mシャトルランは、文部科学省の「新体力テスト」に含まれる種目として広く実施されるようになりました。
そのため、「シャトルランはいつから?」と聞かれた場合は、基本的には新体力テストが導入された時期とあわせて考えるとわかりやすいです。
平成11年度・1999年度から新体力テストが導入された
新体力テストは、平成11年度、つまり1999年度の体力・運動能力調査から導入されています。文部科学省は、国民の体位の変化やスポーツ医・科学の進歩、高齢化の進展などを踏まえて、従来のテストを全面的に見直したものと説明しています。
それ以前にも体力テストはありましたが、時代に合わせて内容が見直され、新しい形式の体力テストとして実施されるようになりました。
その中で、20mシャトルラン(往復持久走)も、持久力を測る種目のひとつとして扱われるようになりました。
つまり、現在の学校で行われるような20mシャトルランは、新体力テストが導入された平成11年度(1999年度)以降に、学校現場で広く扱われるようになったと考えるとよいでしょう。
「昔は持久走だった」と感じる人が多い理由
親世代の中には、シャトルランよりも「持久走」のイメージが強い方も多いと思います。
昔の体力テストでは、一定の距離を走る持久走が行われていたため、「シャトルランは最近のもの」と感じやすいのです。
また、地域や学校によって体力テストの実施方法には違いがあります。新体力テストが導入された後も、学年や学校によっては持久走が行われる場合もあります。
そのため、「自分は持久走だった」「子どもはシャトルランをしている」という違いが出やすいのです。
そもそもシャトルランとは?20mを往復する体力テスト

シャトルランという名前は知っていても、具体的にどんなテストなのかまではよくわからない方もいるかもしれません。
ここでは、シャトルランの基本をやさしく整理します。
電子音に合わせて20mを往復する種目
シャトルランは、20メートル間隔に引かれた2本の線の間を、合図音に合わせて往復する体力テストです。
スタートすると、一定の間隔で合図音が鳴ります。次の音が鳴るまでに反対側の線まで到着し、また次の音に合わせて戻ります。
最初はゆっくりしたペースですが、時間が経つにつれて音の間隔が短くなります。つまり、後半になるほど走るスピードを上げる必要があるのです。
回数が記録になり、持久力の目安として使われる
シャトルランでは、何回往復できたかが記録になります。
途中で電子音に間に合わなくなったり、走り続けるのが難しくなったりすると、そこで終了です。
記録は、全身持久力の目安として使われます。全身持久力とは、簡単にいうと、体を長く動かし続ける力のことです。
走るのが得意な子は記録が伸びやすいですが、当日の体調や緊張、運動への慣れによっても結果は変わります。そのため、回数だけで子どものすべての体力を決めつけるものではありません。
小学校・中学校・高校で実施されることがある
20mシャトルランは、小学校・中学校・高校などの新体力テストで実施されることがあります。
特に小学生では、20mシャトルランが持久力を見る種目として使われます。中学生や高校生では、持久走と20mシャトルランのどちらかが扱われる場合もあります。
ただし、実際にどのように行うかは学校によって異なることがあります。
「うちの子の学校ではシャトルランをするけれど、別の学校では持久走だった」ということもあるため、気になる場合は学校のお知らせや体育の説明を確認すると安心です。
シャトルランが始まった背景は?新体力テストに変わった理由

シャトルランが広まった背景には、体力テストそのものの見直しがあります。
「なぜ昔のままではなく、新体力テストに変わったの?」と疑問に思う方もいると思います。
ここでは、その理由をわかりやすく見ていきましょう。
体力・運動能力調査の見直しがきっかけ
新体力テストは、従来の体力テストを見直して導入されたものです。
社会の変化や子どもたちの体格、運動環境の変化などに合わせて、体力をより適切に把握できるように内容が整えられました。
その中で、20mシャトルランは全身持久力を測る種目として取り入れられました。
昔ながらの体力テストをそのまま続けるのではなく、時代に合わせて測定方法を見直した結果、今の新体力テストにつながっています。
年齢や時代に合った体力測定へ変わった
体力テストは、ただ順位をつけるためのものではありません。
子どもたちの体力や運動能力の状態を知り、体育の指導や健康づくりに役立てる目的があります。
そのため、年齢や時代に合った方法で測定することが大切です。
新体力テストでは、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、50メートル走、立ち幅とび、ボール投げなど、さまざまな面から体力を見るようになっています。
シャトルランは、その中で持久力を確認するための種目です。
測定しやすさや比較しやすさも重視された
シャトルランは、20メートルの距離が取れれば体育館などでも実施しやすいという特徴があります。
天候に左右されにくく、電子音に合わせて進められるため、複数の児童・生徒を同じ条件で測定しやすい面もあります。
また、回数として記録が残るため、前年との比較もしやすくなります。
ただし、測定しやすいからといって、すべての子どもにとって楽な種目というわけではありません。苦手な子にとっては緊張しやすい種目でもあるため、記録だけではなく、子どもの気持ちにも配慮することが大切です。
シャトルランと持久走の違いは?昔の体力テストとの違いを比較

シャトルランと持久走は、どちらも持久力を見るための運動です。
ただし、走り方や記録の取り方には違いがあります。
ここでは、2つの違いを整理していきます。
シャトルランは20mを往復するテスト
シャトルランは、20メートルの距離を何度も往復するテストです。
電子音のペースに合わせて走るため、自分の好きな速さで走り続けることはできません。
最初はゆっくりでも、だんだん音の間隔が短くなっていくので、後半はかなりきつく感じることがあります。
また、途中で止まるタイミングが周囲に見えやすい点も、子どもによってはプレッシャーになりやすい部分です。
持久走は一定の距離や時間を走るテスト
持久走は、決められた距離や時間を走る形式のテストです。
たとえば、一定の距離をどのくらいのタイムで走れるかを見る場合があります。
シャトルランが「音に合わせて往復し、何回できたかを見る」のに対し、持久走は「一定の距離を走り切る」「タイムを測る」というイメージです。
どちらも持久力を見る点では共通していますが、走り方や感じる負担は違います。
12〜19歳では持久走または20mシャトルランの扱いがある
新体力テストでは、年齢によって実施する項目が少し異なります。
小学生にあたる6〜11歳対象の実施要項では、20mシャトルラン(往復持久走)が項目に含まれています。
一方、12〜19歳対象の実施要項では、得点表や記録用紙に持久走と20mシャトルランの両方が示されています。学校の実施では、どちらかを行う形になる場合があります。
そのため、中学校や高校では、学校の方針や状況によって、持久走が行われる場合もあれば、シャトルランが行われる場合もあります。
「持久走が完全になくなった」とは言い切れない
「シャトルランが始まったから持久走はなくなった」と思われがちですが、完全にそうとは言い切れません。
年齢や実施方法によって、持久走が扱われる場合もあります。
そのため、記事内では「持久走からシャトルランに完全に変わった」と断定するよりも、「新体力テストの中で20mシャトルランが導入され、学校によって実施されるようになった」と表現する方が正確です。
学校や学年によって実施方法が違うこともある
同じ新体力テストでも、実際の進め方は学校や学年によって違うことがあります。
体育館の広さ、校庭の状況、人数、授業時間、安全面への配慮などによって、実施方法が変わる場合もあります。
子どもから「今年はシャトルランだった」「友達の学校は持久走だった」と聞いても、不思議なことではありません。
シャトルランは本当に廃止された?現在の扱いをわかりやすく解説

シャトルランについて調べていると、「廃止」という言葉を見かけることがあります。
子どもがつらそうにしていると、「本当に廃止されるの?」「もうやらなくてよくなるの?」と気になる方もいるかもしれません。
ここでは、現在の扱いを整理します。
全国一律で廃止されたという公式情報は確認されていない
現時点で、シャトルランが全国一律に廃止されたという公式情報は確認されていません。
20mシャトルランは、現在も、6〜11歳対象の新体力テスト実施要項では20mシャトルランが項目として示されており、12〜19歳対象の実施要項でも持久走と20mシャトルランが示されています。
そのため、「シャトルランはもう廃止された」と断定するのは正確ではありません。
ただし、学校や自治体、実施する学年によって、実際に行うかどうかや進め方が異なる場合はあります。
現在も新体力テストの項目として扱われている
20mシャトルランは、新体力テストの中で持久力を見る種目として使われています。
特に6〜11歳対象の新体力テスト実施要項では、20mシャトルランが項目に含まれています。
12〜19歳対象では、持久走と20mシャトルランの両方が得点表や記録用紙に示されています。実際の学校現場では、実施環境や方針によって扱いが変わることがあります。
このように、シャトルランは現在も体力測定のひとつとして位置づけられています。
学校ごとに実施の有無や方法が違う場合はある
全国一律で廃止されたわけではない一方で、学校ごとに実施方法が違うことはあります。
たとえば、体育館の広さや人数、安全面の配慮、授業計画などによって、実施の仕方が変わることがあります。
また、子どもの体調や事情によって、無理をしないように配慮される場合もあります。
気になる場合は、学校からのお知らせを確認したり、心配な点を担任の先生や体育の先生に相談したりすると安心です。
なぜシャトルラン廃止の噂が出るの?考えられる理由

シャトルランが全国的に廃止されたわけではないのに、なぜ「廃止」という噂が出るのでしょうか。
そこには、シャトルランならではのつらさや、子どもたちの感じ方が関係していると考えられます。
きつい・苦しいというイメージが強い
シャトルランは、回数が進むにつれてどんどんペースが速くなります。
最初は余裕があっても、途中から息が上がり、足も重くなっていきます。
そのため、子どもにとって「きつい」「苦しい」という印象が残りやすい種目です。
特に、運動が苦手な子や走ることに不安がある子にとっては、体力テストの中でも負担に感じやすいかもしれません。
体力差が目立ちやすい
シャトルランは、記録が回数としてはっきり出ます。
そのため、友達との違いが見えやすく、体力差を感じやすい種目でもあります。
もちろん、体力には個人差があります。走るのが得意な子もいれば、別の運動が得意な子もいます。
しかし、子ども自身は「自分だけ少なかった」「友達より早く終わってしまった」と感じて、落ち込んでしまうことがあります。
最後まで残ると注目されやすい
シャトルランでは、回数が進むと少しずつ人数が減っていきます。
最後の方まで残る子は注目されやすく、逆に早い段階で終わる子も周囲の目が気になることがあります。
この「みんなの前で終わる」という感覚が、子どもにとってプレッシャーになることがあります。
体力を見るためのテストではありますが、実施の仕方によっては、子どもの心の負担につながることもあるのです。
SNSで「なくしてほしい」という声が広がりやすい
最近は、SNSなどで学校生活に関する声が広がりやすくなっています。
「シャトルランがつらかった」「なくしてほしい」という投稿を見て、廃止の噂として広がることもあります。
ただし、SNS上の声と、実際に全国で廃止されたかどうかは別です。
噂だけで判断せず、公式情報や学校からのお知らせを確認することが大切です。
シャトルランが「公開処刑」と言われるのはなぜ?

シャトルランについて調べると、「公開処刑」という強い言葉が出てくることがあります。
かなり刺激的な表現ですが、そう感じてしまう子がいる背景には、シャトルランの実施方法が関係していると考えられます。
途中でやめるタイミングが周りに見えやすい
シャトルランは、最後まで全員が同じタイミングで終わるわけではありません。
電子音に間に合わなくなった子から順番に終了していきます。
そのため、途中でやめるタイミングが周囲に見えやすくなります。
運動が苦手な子にとっては、「自分だけ早く終わったらどうしよう」「みんなに見られるのが嫌だ」と感じることがあるかもしれません。
運動が苦手な子ほどプレッシャーを感じやすい
シャトルランは、走ることが得意な子にとっては記録を伸ばすチャンスになる一方で、苦手な子にとっては緊張しやすい種目です。
特に、体育が苦手な子や、普段から走ることに自信がない子は、始まる前から不安を感じることがあります。
「何回できるかな」よりも、「早く終わったら恥ずかしい」という気持ちが強くなると、テストそのものがつらい記憶になってしまうこともあります。
記録を友達と比べて落ち込むことがある
シャトルランの記録は数字で出るため、友達と比べやすいです。
「友達はたくさん走れたのに、自分は少なかった」と感じると、子どもは落ち込んでしまうことがあります。
しかし、シャトルランの記録は、体力の一部を知るための目安です。
子どもの価値や努力を決めるものではありません。
先生や保護者が記録だけで判断しないことが大切
シャトルランで大切なのは、記録だけを見て子どもを評価しないことです。
もちろん、記録が伸びたらうれしいことです。けれど、思うような結果が出なかったとしても、それだけで「頑張っていない」と決めつける必要はありません。
当日の体調、緊張、靴の状態、体育館の環境など、結果に影響することはたくさんあります。
大人が「何回だったの?」だけでなく、「最後までよく向き合ったね」と声をかけることで、子どもの受け止め方は変わります。
苦手な子への声かけで印象は変わる
運動が苦手な子にとって、シャトルランは不安の大きい行事かもしれません。
そんなときに大切なのは、記録を責めるのではなく、気持ちに寄り添う声かけです。
たとえば、
「苦手なのに頑張って参加したんだね」
「去年より少しでも慣れたなら十分だよ」
「友達と比べなくて大丈夫だよ」
このような言葉があるだけでも、子どもは安心しやすくなります。
シャトルランの印象は、周囲の声かけによって大きく変わります。
シャトルランは意味ない?そう言われる理由を整理

シャトルランについては、「意味ない」という声が出ることもあります。
実際に苦手だった人や、子どもが嫌がっている様子を見た保護者からすると、「そこまでしてやる必要があるの?」と感じることもあるでしょう。
ここでは、なぜ意味ないと言われるのかを整理します。
走るのが苦手な子にはつらい記憶になりやすい
シャトルランは、走ることが苦手な子にとって負担に感じやすい種目です。
息が上がる、足が重くなる、みんなの前で終わる、記録が数字で残る。
こうした要素が重なると、「ただつらいだけだった」と感じる子もいます。
その経験から、「シャトルランなんて意味ない」と思ってしまうことがあるのです。
その日の体調で記録が変わることがある
シャトルランの記録は、当日の体調に左右されます。
前日に眠れなかった、朝食があまり食べられなかった、少し体がだるかった、緊張していたなど、さまざまな理由で思うように走れないことがあります。
そのため、1回の記録だけでその子の体力をすべて判断するのは難しいです。
この点から、「正確に体力がわかるの?」と疑問を持つ人もいます。
数字だけで評価されると感じやすい
シャトルランは、回数がはっきり出るテストです。
そのため、子どもによっては「数字で比べられている」と感じることがあります。
もちろん、体力テストは順位をつけるためだけのものではありません。
本来は、自分の体力の状態を知るためのものです。
しかし、周囲の雰囲気によっては、子どもが「できる・できない」で見られているように感じてしまうことがあります。
日常生活に直接関係ないように見える
シャトルランは、20メートルを何度も往復する独特の運動です。
日常生活で、電子音に合わせて走り続ける場面はほとんどありません。
そのため、「これが何の役に立つの?」と感じる人もいます。
ただし、シャトルランで見ているのは、20メートルを往復する技術そのものではなく、体を動かし続ける力です。
そこを知ると、少し見方が変わってきます。
シャトルランにはどんな意味がある?測定できる体力を解説

「意味ない」と言われることもあるシャトルランですが、体力テストの項目として使われているのには理由があります。
ここでは、シャトルランで何を見ているのかを整理します。
全身持久力を知る目安になる
シャトルランでは、全身持久力を見ることができます。
全身持久力とは、体全体を使って運動を続ける力のことです。
たとえば、走る、遊ぶ、スポーツをする、長く歩くなど、日常のさまざまな動きにも関係しています。
シャトルランの記録は、この全身持久力を知るための目安になります。
最大酸素摂取量を推定する参考になる
12〜19歳対象の実施要項には、20mシャトルランの折り返し数から最大酸素摂取量を推定する参考表が掲載されています。
最大酸素摂取量とは、運動中に体がどれくらい酸素を取り込んで使えるかを示す指標です。
少し難しく感じるかもしれませんが、簡単にいうと、持久力に関係する体の働きを見るための目安です。
そのため、シャトルランの回数は、持久力の状態を知る参考として使われます。ただし、これはあくまで推定であり、体力や健康状態のすべてを判断するものではありません。
自分の体力の変化を知るきっかけになる
シャトルランは、友達と比べるためだけのものではありません。
去年の自分と比べてどうだったか、前より少し走れるようになったか、自分の体力の変化を知るきっかけにもなります。
たとえば、去年より少し回数が増えたなら、体力がついてきたサインかもしれません。
逆に記録が下がった場合も、体調や生活リズムを見直すきっかけになります。
記録の良し悪しだけでなく体力の目安として見る
シャトルランの記録は、良い・悪いだけで見るものではありません。
もちろん、高い記録が出れば達成感があります。けれど、記録が低かったからといって、その子に価値がないわけではありません。
大切なのは、今の自分の体力を知る目安として見ることです。
数字に一喜一憂しすぎず、「今の自分はこのくらいなんだ」と受け止められると、前向きに考えやすくなります。
去年の自分と比べる考え方も大切
シャトルランで比べるなら、友達よりも過去の自分と比べる方が前向きです。
「去年より1回でも多く走れた」
「最後まであきらめずに参加できた」
「苦手だけど、去年より落ち着いてできた」
このような小さな変化も、子どもにとっては大切な成長です。
記録だけでなく、取り組み方や気持ちの変化にも目を向けてあげるとよいでしょう。
シャトルランで無理をしないために知っておきたい注意点

シャトルランは体力テストの一部ですが、無理をしてまで行うものではありません。
特に、体調が悪いときや足に痛みがあるときは注意が必要です。
ここでは、安全に取り組むために知っておきたいポイントをまとめます。
体調が悪い日は無理をしない
シャトルランは、走るペースが少しずつ速くなるため、体に負担がかかります。
そのため、発熱、倦怠感、体の異常、息苦しさなどがある日は無理をしないことが大切です。実施要項でも、当日身体の異常を訴える場合には行わないことが示されています。
「みんながやるから」「記録を残さないといけないから」と無理をすると、体調を崩してしまう可能性があります。
体調が悪いときは、早めに先生に伝えるようにしましょう。
テスト前後の準備運動と整理運動が大切
シャトルランの前には、準備運動をして体を温めることが大切です。
急に走り始めると、足や膝に負担がかかりやすくなります。
軽く体を動かし、足首や膝、太もも、ふくらはぎなどをほぐしておくと安心です。
また、終わった後もすぐに座り込まず、呼吸を整えながら軽く歩いたり、整理運動をしたりするとよいでしょう。
水分補給や熱中症対策にも気をつける
暑い時期や体育館の中が蒸し暑い日は、水分補給や熱中症対策にも注意が必要です。実施要項でも、十分に水分補給できるようにすることや、日よけ、換気などの配慮が示されています。
シャトルランは短時間でも息が上がりやすく、汗をかくことがあります。
テストの前後に水分をとれるようにしておくと安心です。
特に暑い日は、無理をしないことが大切です。気分が悪い、めまいがする、頭が痛いなどの症状がある場合は、すぐに先生に伝えるようにしましょう。
足や膝に痛みがあるときは先生に相談する
足首、膝、かかと、すね、太ももなどに痛みがある場合は、無理に走らないことが大切です。
「少しくらいなら大丈夫」と思って走ると、痛みが強くなることもあります。
子どもは我慢してしまうこともあるため、家で「足が痛い」「走るとつらい」と話していたら、保護者からも先生に相談しておくと安心です。
頑張ることと無理をすることは違う
シャトルランでは、最後まで頑張ろうとする気持ちは大切です。
けれど、頑張ることと無理をすることは違います。
息が苦しすぎる、足が痛い、体調が悪い、ふらつくなどの状態で続ける必要はありません。
自分の体のサインに気づき、無理だと思ったらやめることも大切な判断です。
途中でやめる判断も大切
シャトルランは、途中でやめたから悪いというものではありません。
電子音に間に合わなくなったり、体がつらくなったりしたら、そこで終了するのが自然です。
「もう無理かも」と思ったときに、無理をせずやめる判断ができることも大切です。
子どもには、「最後まで残ることだけがすごいわけではないよ」と伝えてあげると安心しやすいです。
子どもがシャトルランを嫌がるとき親ができる声かけ

子どもがシャトルランを嫌がっていると、親としても心配になりますよね。
「頑張ってほしい」という気持ちと、「無理してほしくない」という気持ちの間で迷うこともあると思います。
ここでは、子どもの気持ちを支える声かけを紹介します。
「何回できたか」より頑張った過程を見る
シャトルランの後、つい「何回だった?」と聞きたくなるかもしれません。
もちろん、子どもがうれしそうに話してくれるなら、記録を一緒に喜んであげるとよいでしょう。
でも、あまり納得できない表情をしているときは、回数よりも過程に目を向けるのがおすすめです。
「最後まで参加できたんだね」
「苦手なのに頑張ったね」
「緊張したのにちゃんとやったんだね」
このような声かけは、子どもの安心につながります。
友達と比べなくていいと伝える
シャトルランでは、友達の記録が気になりやすいです。
子どもが「〇〇ちゃんはもっとできたのに」と落ち込んでいるときは、友達と比べなくていいことを伝えてあげましょう。
「人によって得意なことは違うよ」
「走るのが得意な子もいれば、別のことが得意な子もいるよ」
「比べるなら、去年の自分と比べればいいよ」
このように伝えると、子どもも少し気持ちが軽くなります。
苦手でも少しずつ慣れれば大丈夫と声をかける
シャトルランが苦手な子にとって、「来年もあるかも」と思うだけで不安になることがあります。
そんなときは、「できるようにならなきゃ」と追い込むより、「少しずつ慣れれば大丈夫」と伝える方が安心です。
たとえば、普段から少し歩く、軽く走る、外遊びをするなど、無理のない範囲で体を動かすだけでも、運動への苦手意識が少しずつやわらぐことがあります。
大切なのは、急に記録を伸ばそうとすることではなく、体を動かすことに少しずつ慣れることです。
結果が悪くても責めないことが大切
シャトルランの結果が思うように出なかったとき、子ども自身が一番落ち込んでいることもあります。
そんなときに、「もっと頑張れたんじゃない?」「少なすぎるよ」と言ってしまうと、運動への苦手意識が強くなることがあります。
結果が悪かったときこそ、まずは気持ちを受け止めてあげることが大切です。
「悔しかったね」
「緊張したよね」
「でも、ちゃんと参加したのはえらいよ」
このように声をかけることで、子どもは次に向かいやすくなります。
運動が苦手な子に言わない方がいい言葉
運動が苦手な子には、何気ない言葉がプレッシャーになることがあります。
たとえば、
「なんでそんなに少ないの?」
「もっと本気で走ればよかったのに」
「みんなはできているのに」
「運動が苦手だと困るよ」
このような言葉は、子どもを励ますつもりでも、落ち込ませてしまうことがあります。
記録を伸ばすことよりも、まずは「運動が嫌い」と思いすぎないように支えることが大切です。
前向きになれる声かけの例文
子どもがシャトルランを嫌がるときは、次のような声かけがおすすめです。
「苦手なのに参加しただけでもえらいよ」
「去年より落ち着いてできたなら、それも成長だよ」
「友達と比べなくて大丈夫だよ」
「つらくなったら無理しなくていいよ」
「記録より、頑張ろうとした気持ちが大事だよ」
子どもは、親の言葉を思っている以上によく覚えています。
シャトルランが不安なときほど、安心できる言葉をかけてあげたいですね。
まとめ|シャトルランはいつから始まったのかを知って前向きに向き合おう

シャトルランは、20メートルの距離を電子音に合わせて往復し、全身持久力の目安を見るための体力テストです。
「いつから始まったの?」と気になる方も多いですが、現在の学校で行われるような20mシャトルランは、平成11年度(1999年度)の体力・運動能力調査から導入された新体力テストの項目として広く扱われるようになりました。
シャトルランは平成11年度以降に新体力テストで広まった
新体力テストは、平成11年度、つまり1999年度の体力・運動能力調査から導入されました。
その中で、20mシャトルラン(往復持久走)は持久力を測る種目として扱われるようになりました。
親世代が「昔は持久走だった」と感じるのは、体力テストの内容が時代とともに変わってきたためです。
廃止の噂はあるが、全国一律で廃止されたわけではない
シャトルランには、「きつい」「苦しい」「人前でやめるのがつらい」といった声があります。
そのため、廃止の噂が出ることもありますが、現時点で全国一律に廃止されたというわけではありません。
現在も新体力テストの項目として扱われています。
ただし、学校や学年によって実施方法が違う場合はあるため、気になる場合は学校のお知らせを確認すると安心です。
意味ないと決めつけず、自分の体力を知る目安として考えよう
シャトルランは、子どもによってはつらく感じる種目です。
そのため、「意味ない」と感じる人がいるのも自然なことです。
ただ、シャトルランは全身持久力の目安を知るためのテストでもあります。
大切なのは、記録だけで子どもを判断しないことです。
友達と比べるよりも、去年の自分と比べたり、今の体力を知るきっかけにしたりする方が、前向きに受け止めやすくなります。
子どもには記録よりも努力を認める声かけが大切
子どもがシャトルランを嫌がるときは、無理に励ましすぎるよりも、まず気持ちを受け止めてあげることが大切です。
「何回できたの?」だけでなく、
「苦手なのに頑張ったね」
「最後まで参加できたんだね」
「友達と比べなくて大丈夫だよ」
と声をかけてあげると、子どもは安心しやすくなります。
シャトルランは、記録を競うためだけのものではありません。
自分の体力を知り、少しずつ体を動かすきっかけとして、無理のない範囲で向き合っていけるとよいですね。